岩倉市副市長人事の案件は、やむなく退席(実質的には反対)

公開日: : 最終更新日:2018/08/19 平成29年, 議会の活動報告

Facebookにも同じ記事を載せていますが、少し筆を加えたいと思います。

自治体では、教育委員会委員、固定資産評価委員などの職の人選については、法律により議会の同意が求められています。

この意味をどう考えるかです。たぶん、これまでの議会は、そんなに真剣に考えて来なかったのだと感じます。「市長が、当局が選んだんだから、いいんじゃないか」 今でもこのように考える議員が存在しています。

しかし、法律等の条文は、決して形式的なものではなく、一般的な人事とは一線を画すための規定だと理解すべきです。

つまり、ほかの人事は、市長の権限の中で自由にやってもらっていいけど、副市長などの人事は、議会(市民)の言うことも聞かないといけないよ、という意味です。

今回の久保田市長の進め方は、誰かに相談するとバラバラな意見が出て、それによって人が傷つくからと誰にも相談せず、意思を固め、議会に話を持ってきたときは、すでに固定化され、相談ではなく、報告になってしまっていました。

あとは、頑として押し通すのみ。これでは、うまくいきっこありません。

私は、市長としてのリーダーシップは、我を通すことではないと思います。

また、なぜ前福祉部長を選んだかについて、久保田市長は、自分がこれから進めようとしている子育ての部分に長けていると説明しましたが、具体的には「保育園の民営化」を進めたいという意向で一致したということでした(非公式ながら2会派に対し言明)。本会議の中では、そのことについて答弁はありませんでしたが、私の中では、このことも賛成できない大きな理由の一つとなりました。

さて、副市長人事の議案のやりとりは、次のとおりです。

問)「選任同意という案件についての、市当局の説明責任について」
これまで、教育委員会委員などの非常勤の特別職の選任同意の議案について、当局の説明責任のなさに対し、抗議するという意味で賛成してこなかった。
しかし、副市長人事の案件では、本会議前に、市長自ら事前の説明や調整に尽力した。それを受け、議会内部でも任意の会議を何度も開き意見交換してきたところである。私は、今回のこの姿が本当だと考える。つまり、「事前審査はいけない」という短絡的な解釈がまだ議会内部にも残っているが、この事前の説明や調整は、国会で与党に対してだけ行ういわゆる「事前審査」ではなく、本会議の議論をより充実させるための準備行為だと解釈すべきである。なぜ、副市長の人事案件だと丁寧に事前調整を図り、他の特別職は何もしないのか、同意案件の議案における、市長は、議会、市民に対する説明責任をどのように考えるのか。
答)非常勤の特別職の人事案件が軽いとは考えていない。今後、しっかりと協議していきたい。

問)いったい誰と相談して決めたのか。(少なくとも、市長と1対1で話を聞いたときは、庁議メンバーである部長は、相談も打診もされていなかった。)
答)誰とも相談せずに自分で決めた。相談すると、色々な意見をもらうことになり、結局、傷つけることになると判断した。
意見)市政運営は、市長一人、又は副市長と二人で行うものではなく、組織として行うものである。市の幹部である部長を蚊帳の外に置き、今後の市政運営がうまく行くのか心配している。

問)人物評価をすべきではない。再任用職員であっても、一般職であり、勤務評定の対象者である。その人事評価を見ているか。
答)見ていない。自分の所まで、上がってこない。

問)それは、片手落ちではないか。
答)人事評価が全てではない。片手落ちだとは思っていない。

<解説>
主査級の再任用職員の人事評価は、課長の1次評価、部長の2次評価となっています。システムとして完備している人事評価を見ずに、判断したということです。
人事評価に関する質問を議会で行ったとき、総務部長は、「記憶よりも記録が大切」であると人事評価システムの重要性を説きました。そのとおりです。この答弁は、人事評価を否定するとんでもない発言だと思います。人事評価がたとえ悪くても、市長に心象が良ければ昇格できるということを示したわけですから。

部長を飛び越し、よそのまちの課長や主査級である再任用職員を抜擢することは、組織に対する背任行為であるという職員の声も聞こえてきます。2回連続の背任行為に、現役の職員の心中いかんやです。

参考までに、これまでの経緯

1 副市長の選任は、これまで、基本的には、内部の現役部長からというのが、岩倉市の歴史である。
2 しかし、片岡市長は、小牧市の課長であった久保田氏を招へいした。このとき、今回副市長となった小川氏は福祉部長であったが、副市長には適さないという判断がなされたともいえる。
3 平成27年度、3人の部長の退任の中、総務部長と福祉部長の2人の者だけを定年延長させようとした。しかし、地方公務員法の規定の拡大解釈、裁量権の濫用ということで、議会や職員内外の反対で断念した。
4 その2人は、これまでの再任用の扱いとは異なる待遇の主査級の再任用職員となった。
5 平成29年1月の市長選挙で、久保田副市長が市長となり、その副市長の選任に当たり、再任用職員の小川氏を選ぶという、これまた異例の人事と事前の報告があった。
6 現役部長はその人選を知らなかった。

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