平成28年9月議会に一般質問を行いました。

公開日: : 最終更新日:2018/08/19 平成28年, 議会の活動報告

9月20日に議会にて、一般質問を行いました。

1 公の施設における指定管理者制度に対する認識を問う

  • 市民が利用しやすい施設であるべきではないか。

青少年宿泊研修施設(希望の家)の利用について、市民の方から

「イベントを行った際に、玄関前のタイルがどうしても汚れる。それをきれいに掃除するとなると、3時間くらいかかる。指定管理者の前、直営のときは、もちろん後片付けの清掃をしていたが、ある程度の融通が効いて、職員さんにお手伝い願っていたことがあった。しかし、指定管理に移行してからは、それはなくなり、3時間もかかって掃除をした。どうしても、敬遠せざるを得ない施設となってしまった。」というお話を伺った。

公の施設は、使ってもらってなんぼのものである

青少年宿泊施設は、集団宿泊生活、天体観測、野外活動等を通じて、青少年を自然に親しませ、豊かな情操と健全な心身の育成を図るための施設。土や砂で汚れることが前提の野外活動などのイベントが行えないようでは本末転倒。

 施設の修繕時期に合わせ、掃除のしやすいコンクリートにするだとかという提案が市民からもしているようであるが、解決策に向け、どのように考えているのか。

副市長:通常は15分くらいで清掃は済むということである。その日はたまたま雨が降り、タイルの隙間に泥が付着してという状況であった。いずれにしても、利用者が使いやすいように努力していく。

意見:高圧洗浄機の導入を求める。業務用で、冷水であれば12万円ほどから、温水だと30万円から50万円ほどになるが、土間の清掃以外にも使える。検討してみてはどうか。

 

  • 管理業務委託と指定管理者制度との違いをきちんと認識しているか。

 市民の方から、「総合体育文化センターの利用者から、指定管理者に対し改善要求をしたところ、市に言ってくれと言われたとか、市から言われているからできない。」ということを聞かされた。財務委員会における答弁においても、生涯学習センターの議論において、執行機関側から「指定管理者制度のメリットが生かされているとは言い切れない。指定管理者が市に判断を求めてくる。」という答弁もあった。

  • 指定管理者と事業委託の主な違い
事業委託 指定管理者
市との関係 委託契約 行政処分による指定
議会との関係 委託についての議決の必要なし 地方自治法により議決が求められる
責任の所在 基本的には市。ただし、事業者の重大な瑕疵による事故等については、賠償請求ができる。 基本的には指定管理者。例外はある(協定書における責任分担表)。
市民に対する権限 指定管理者。ただし、使用料の減免、施設の目的外使用の許可権限は、市

 

市民にとっては、直営だろうが、指定管理者制度だろうが、関係ないことかも知れない。しかし、指定管理者制度を採用するということは、ほとんどの管理する上での権限を指定管理者に委任するわけであり、委託契約とは一線を画す行政処分としての行為であり、議会の議決を必要とする重要な決定なのである。

6月議会でも指摘したように、目的外使用許可や減免は、あくまでも市長の権限に属するわけであるが、職員でさえ、どんなものが目的外使用に当たるのかが曖昧であることが明らかになった。

※6月議会において、総合体育文化センターの多目的ホールでの業者による物品販売は目的外利用であるという指摘に対し、総務部長は、「物販が目的外使用かどうかというところ、確かに議員が言われるように、設管条例の使用料の規定があるというところは、また話としては違うということは私としても考えております。ただ、その物販が住民の福祉の向上ではないといった明確な規定を今調べておるところですが、ございません。他の自治体の施設の使用料規定を見ましても、設管条例の使用の部分を見ましても、同様の規定をしているところもあります。こうしたところも一度さらに研究を進めて、目的外使用としての適用になるのか、あるいは住民の福祉の一環、あるいはその物販も一利用者としての取り扱いになるのかといったところは、少し研究をさせていただきたいと思います。」 と答弁。

総合体育文化センターの条例では、設置目的として「スポーツの振興並びに市民の体力及び健康の増進を図るとともに文化芸術の振興に寄与するため、センターを設置する。」とあるわけで、この目的に合致しないのは明らかである。

 また、希望の家では、次のように市と協定を結んでいる。

業務を行うに当たっては、岩倉市の公の施設に係る指定管理者の指定手続等に関する条例、同施行規則、青少年宿泊研修施設(希望の家)の設置及び管理に関する条例、同施行規則のほか、関係法令等を遵守しなければならない。

 この関係法令等とは何であろうか。

 地方自治法・同施行令・労働基準法・労働安全衛生法・消防法・行政不服審査法(仕様書に記載なし)・自治基本条例・市民参加条例・行政手続条例(この3つは仕様書に記載なし)・個人情報保護条例・同施行規則・情報公開条例・暴力団排除条例

 協定書には、自治体の最高規範として制定した自治基本条例の記載がない。また、重要な行政手続法なども抜けている。

 岩倉市の職員は、計画的な研修により、これらの法令等の基礎知識を数年間かけて学ぶ。指定管理者に雇用される職員(パート職員が多い)に、どのような研修が施されているのか。多分、計画的な研修を受けるのは、実際には無理であろう。もともと、指定管理者制度は、民間のノウハウを活用するといううたい文句で始まった制度ではあるが、実際は、安い労働力への置き換えのメリットで広がっていった。

 工事の委託契約と違い、公民館や図書館、社会教育施設などの専門性は、公務現場にこそ蓄積されたものであり、憲法を始めとして、地方自治法や各種法令の理解と実践を基礎として展開されうるものである。そもそも文部科学省も、当初は、これらの施設は指定管理者制度にはなじまないと言っていたのである。

 民間が行う文化センターのような事業とは違う理念が存在していなければならない。

私は、制度を全面否定はしていないが、学校教育、図書館を含めた社会教育施設には、それらの理念を備えた指定管理者はなかなか見つからないと考える。

 

  • 利用団体のヒアリング議事録(市民の声)から

「水曜日が休館だが、木曜日の昼間に門が閉まっていたことがあった。」

「職員はできれば野外活動が好きな人がよい。」

「みんなが来やすい、利用しやすいように改善していってほしい。」

「1年ごとに指定管理者が行ってきたことをチェックや評価をして、改善点があれば改善していくことも必要ではないか。」

「指定管理者に丸投げするのではなく、市も熱意を持って力を入れてやってほしい。」

「希望の家の管理者との話し合いの場がほしい。」

「今までやれていたことができないことがあり、最初は戸惑いがあった。」

  • 財務常任委員会の決算審査でも希望の家のことで、「予約をしていたにもかかわらず、行ったら鍵が閉まっていたという市民の声を聞いている」という問題が出され、「出勤する人が忘れていた。厳重注意した。」という答弁もあった。

2 公園等において、バーベキューの可不可の明確化を求める

都市公園や憩いの広場などでは、法令上、バーベキューを禁止していない。環境省のホームページのQ&Aにも、「リードをつけてあれば、ペットの持ち込み(犬連れ登山等)はしても良いのでしょうかという問いに対し、「規制される行為は「動物を放つこと」であり、「持ち込むこと」を罰則つきで禁止するものではありません。」とあるように、行政の態度として、法令で禁止していないことを、市民に対し禁止していると明言するのはあってはならない。

史跡公園にも「ペットを連れ込むことは禁じられています」と根拠のない看板が掲げられている。」仮に、遵守事項として畜類の持ち込みを根拠とするのであれば、「ペットの連れ込みは、他の利用者の迷惑となる場合がありますので、ご遠慮願います」が適切である。

根拠のない看板を設置することはいかがなものか。

 

答:バーベキューについて明確には禁止の規定はないが、「他人に迷惑となる行為をすること。」や「都市公園の管理に支障がある行為をすること。」の条文をもって禁止としている。

 

問:禁止していないのに、禁止という言葉を使うべきではない。憩いの広場の管理規則では、利用者の遵守事項として「畜類を伴い入らないこと」という条文があるので、せめて市民に対しては「ご遠慮ください」であろう。

 バーベキューなどは潜在的な市民ニーズは高いわけで、札幌市のように、許可制により、期間を設けてできるようにするべきではないか。

八剱憩いの広場の五条川沿いは、水辺にも近く、格好のバーベキューを楽しむことができる場所だと思う。また、旧給食センターの跡地を可能な場所として整備してはどうか。

 

答:市内では、希望の家が可能な場所となっている。近隣住民の苦情も予想されることから、困難であると考える。

 

  • 岩倉市も、子どもの声がうるさいからと、保育園などが設置できないような自治体になってしまうのか。

 

 住民の住環境を向上させたいという権利は、尊重されなければならない。

 一方、お祭りや文化など、公共のために、その権利が制約されることを許容することも必要である。

 最近の市の答弁で、近隣住民の苦情という言葉を聞くことが多い。苦情が出るから何もしない、できないという姿勢は、いかがなものか。

 特に、さくら祭りは、過去からも行われてきたものであるし、貴重な岩倉の自然の資産であり、市民の憩いの場である。そのことを承知で地域住民は暮らしてきた。五条川近辺に転居してきた住民・引いては不動産屋など仲介業者にそれらの情報を伝え、納得してもらうべきではないのか。

 住民の権利が優先され、公共が縮小されていくのは、行政の衰退の一つの現象であると感じている。

 

3 若者がまちに関心を持つことの重要性を問う―若年層の投票率日本一のまち「いわくら」を目指せないのか。

問:18歳・19歳の投票率が高いのは、制度改正の一過性の現象であるとみるべきである。

 当該選挙の期間中、駅の地下道において有志の方たちと一緒に「Go Vote(選挙に行こう)」という簡単なオリジナルソングを歌って選挙啓発を行った。岩倉市の投票結果を見て、この啓発が効果があったかどうかは不明である。一方、市の選挙啓発の実際では、昨年度は、選挙啓発を旨とする「明るい選挙推進協議会」が一度も開かれていないという決算審査における事実も明らかとなった。このような活動は、本来、選挙管理委員会主導で行われるべきではないか。

 岩倉市は、「緑豊かな文化都市」として、キラッと光ることが必要である。それは、豊かな市民による豊かな市民活動であり、市民自治を発展させ、文化的なまちを目指すことにある。小さな岩倉だからこそ、若年層の投票率日本一は、実現可能である。若い世代が、岩倉を知り、将来の岩倉に夢を描くことをなしに、岩倉の発展はありえない。

 

4 続・新たな人事評価制度について

  • 評価制度の信頼度や精度が上がるまで給与等に差をつけるべきではないと考えるが、なぜ管理職だけ一時金に差をつけるのか。

 6月議会の中で、他の質問で時間が取られ、質問できなかった事項である。

 

  • 研修から

多くの人事当局が「人材育成のために評価をしている」と言い過ぎている。

<ポイント>

・給与に差をつけること=人事評価の目的と大きく絡む大事なこと

・人事評価は、人材育成のためという側面を持っているが、行きつくところは、査定(昇給昇格)の材料にならざるを得ないということ。

・これまでも主事から主任、主任から主査、管理職登用など、その判断材料としての人事評価は、行われてきた。

→一部の幹部から見た人物評価になりがちで、かつ、ブラックボックスであり、本人にもフィードバックされないものであった。

・人事評価制度は、それを明るみに出しても説明できるように透明性を持たせることが必要。

・これまでも管理職については給与(賞与)に差を付けてきたが、疑問を感じていた。

・人事評価制度そのものの精度、職員からの信頼感、確かさの担保がないといけない。

・職員からの信頼度が7割、8割ないうちは、給与に差をつけるのは適切ではない。=試行段階

・国は、この信賞必罰の精度を全職員で行うべきだという。管理職だけ行う理屈は、通らない。→給与に差をつけるくらい精度が高く、職員から信頼されるものであれば、そして、これまで管理職に適用させてきて効果が上がっていると胸を張れるものであれば、全職員に適用されるべき。

・これまで管理職で一時金に差をつけていたが、新たな人事評価制度の確かさ、信頼性が低い試行段階では、それを行うべきではない。

  • 条例化の意義についての見解を問う

 

その他、公募による管理職の任用等、任期付職員の採用等、懲戒処分などを網羅

 

  • 6月議会における質疑

私の質問

「相対評価のパーセンテージであるとか、それこそ懲戒処分や管理職の基準、いろんなものが網羅されています。自治基本条例が、行政を縛るように、時代が変わっても、職員を縛る、市長を縛る、自らこういった職員基本条例というのを作って、時代が変わっても、市長が変わっても、きちんと遂行できるような仕組みづくりをしていくべきだ」

総務部長の答弁

 「職員を縛るといったような表現というのは、私は非常に好ましくないというふうに考えております。あくまでも職員が職員としてあるべき姿をどういう形で示していくかといったところが、この条例の趣旨だと思います。」

◆私の主張

 枠組みを示す理念条例の存在を否定するものではない。しかし、条例を制定するという意味は、市民の代表である議会の議決を経ること、つまり、市民合意を得て、その規定を市民がチェックしていくことでもある。大阪市職員条例のすべてが良いとは言わないが、相対評価を行い、比率を決めているが、事実、国家公務員では、現実的に遂行されていない。そういう意味から、縛る(羈束する)ことが重要なのである。

 

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