9月議会に引き続き、公共施設について考えること(再配置計画)
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市政について
いつしか、市の組織の中でスポーツ課という部署がなくなり、市民のスポーツ活動の重要拠点である総合体育文化センターも直営から指定管理者制度へ移行されました。生涯学習という大きな枠で捉えるのは結構ですが、その重要拠点である公共施設の役割を真に追求している行政になっているかどうかが問題です。
さて、9月の一般質問で指定管理者ありきではいけないということを主張しましたが、総合体育文化センターについて、来年4月から新たな指定管理者を選定したという報告が市当局からされました。
岩倉市では、民間委託検討ガイドラインという基準を設け、それに従い、委ね方を検討するということになっています。しかし、そのガイドラインによる事務手続は、行われていないようで、一旦、指定管理者制度に移行した施設は指定管理者のままです。選定は、市役所内部の部長職を中心に組織する選定委員会で行われます。項目ごとに点数を付けていくわけですが、さて、点数を付ける部長さんたちは、いったいどれほど施設を利用したことがあるのでしょう。
私は、元、市の職員として、民間委託するにしても、まずは、施設を利用する市民を基底とする民間委託等検討ガイドラインを作り、一方で、市民との協働のための協働ルールブックを作り、その延長線上で岩倉市自治基本条例の制定に携わってきました。そして、その中で、市民参加条例の制定の縛りをかけておいて、本年度からその条例が施行されています。そして、先日、可児市の文化創造センターの館長であられる 衛 紀生氏の講演を拝聴し、公の施設の存在意義を熱く語る氏の思いに感銘を受け、改めて、わが市の施設に目を向けると、少し悲しい思いがしたのであります。
総合体育文化センターは、公の施設であり、市民の福祉向上のための施設であり、利用者の意見が中心でなければなりません。使ったことのない職員が机上で点数を付けるのは、まずもって、おかしいと思います。もちろん、現在は、総合評価方式といって、安ければ良いという方法ではなく、総合的な点数で結論づけるようになっていますが、そこに、現場に関係してきた市民の声や意見がどれだけ反映されているのでしょうか。現在の業者のどこが悪くて、どこが評価されているのか。取って代わる新しい業者に市として何を期待して委ねるのか指定管理者の決定については、議会の議決が必要であり(全面的に権限を委任することから、とても重い話なのです)。12月議会で提案され、審議することになるでしょうが、これまでと同様、活発な議論は期待できないのが現状です。私は、これまで、指定管理者の選定に関する議決は、安易過ぎると思っていますが、殆どの議員は、市当局が決めたことだから、それで良いという態度です。市民に身近な公共施設を管理運営莫大な金額で委ねるわけですから、市民不在で良いわけがありません。そして、市民の代表としての議員は、もっと真剣にその決定に至る経過・資料を分析し、本当にその業者で良いのか、再度、直営に戻すべきではないのかという議論をすべきなのです。
一方、公共施設全体では、これまた、国からのいらんお世話で、公共施設再配置計画なるものを策定することになっています。総務省の作った計算式に当てはめると、岩倉市では13%の施設を削ることになり、それに向けての計画づくりが進められています。人口が減り(これまた、国から人口ビジョンなるものを作成しろと言われて、全国的に作ったもので、総合計画とは裏腹な、人口減少の計画となっています)、財政緊縮とあいまって、公共施設を縮小するという、なんとも、後ろ向きな計画です。
総合体育文化センターの指定管理者のことと、この再配置計画は、本質的には同じだと思います。再配置計画の策定の方は、附属機関として市民が入った委員会が設け、そこで議論がなされています。傍聴させていただきましたが、委員の皆さんは、真剣に議論し、それぞれの立場で活発な意見を出してみえました。しかし、その意見すら的確に反映されていくようには思えませんでした。コンサルが作った資料を結果的には是認していくように進んでいくように感じました。今後、現場の職員や利用する市民との対話やアンケートなどを経て、計画書が作られるようですが、最初から13%削減を固定しておいて、後で肉付けしていく計画づくりには、どうも納得がいきません。
こちらも最終的には、議会の議決が必要となるでしょう。しかし、市民を交えた附属機関で審議された決定事項を簡単に議会が否定するためには、議員も相当勉強しなければいけません。よって、特別委員会を設置し、議会も平行して審議していく必要があると考え、その方向で調整しています。
公共施設再配置計画の問題は、岩倉市に限ったことではありませんので、このブログを読んでいただいている岩倉市外の方でも、「自分のまちではどうなっているんだろう」という関心を持っていただきたいと思います。
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