9月議会における本会議質疑の報告
9月3日・4日の両日、提出された議案について、本会議における質疑が始まりました。 まず、本会議と委員会付託の関係についてです。どこまでを本会議で質問し、その後の付託先の委員会で質問するかについてです。結論から言うと、これは、①市の規模(議員の人数)、②委員会の構成、③定例会の時期(3月・6月・9月・12月)などにより異なってくるものと考えています。例えば、今回の9月定例会は、条例の案件も、もちろんありますが、決算議会とも呼ばれ、前年度のすべての執行機関側の事業(お金の使われ方)を審査し、最終的に議会が認定するというものが大きな要素となっています。
条例等は、本会議後、総務・産業建設常任委員会(以下、「総務」)、厚生・文教常任委員会(以下「厚生」)という二つの常任委員会に分けて付託されます。一方、決算や予算は、財務常任委員会(以下「財務」)に付託されます。前者の構成議員は、岩倉市の場合15人のうち、8人・7人に分かれて審議を行います。後者の財務常任委員会は15人全員で構成しています。私は、総務の方に属していますので、厚生の分野の件で疑義があった場合、本会議で質疑をしないと、発言する機会がないことになります。しかし、15人全員で構成する財務では、本会議でも委員会でも質疑できるわけです。そこで、問題となるのは、その区分になってくるわけです。本会議の答弁者は、市長・教育長などの長に対し、説明員として出席を求めています(地方自治法第121条)。よって、基本的には、市長・教育長等に対し、基本的な考え方であったり市としての方針を問い質したりすることが中心になります。しかし、実態は、担当部長が補助員として同席し、ほとんどの答弁を部長が担当します。なので、少し込み入ったことを質問しても答弁が返ってくるわけです。また、委員会でも、本会議と同様に、議長から市長、教育長等に対し、説明員として出席を要求できます(委員会条例第18条)。しかし、慣例的に、委員会では、主たる答弁者は、市長の補助員である課長以下が行っています。なので、本会議より更に細部にわたり質疑が可能にはなりますが、逆に長等の基本姿勢等については聞くことができないということになります。
こういった現状から、本会議では、細かい数値を聞くのではなく、高所大所に立った総括的なもの、市の方針や考え方を聞くというものに絞って行い、委員会では、本会議の答弁で納得できなかたもの、あるいはさらに深い議論が必要なものといったものに、自ずとなるのではないかと考えます。
さて、私は、附属資料である「主要施策の成果報告書」を中心に、十数項目にわたり、質疑を行いました。振り返ると、少し、細かな質問もあったなと思っていますが、それでも今9月議会では、本会議において2日間の日程が組まれ、2日目の3時頃に質疑が集結していることから、まだまだ、時間的余裕はありました。主なものは、次のとおりです。
1 友好交流事業―大野市との友好交流事業がマンネリ化している。これまで、一豊サミット、フィリピンのピナトゥボ火山噴火を機に始まった交流など、縁のあった都市が国内外にあり、広める考えはないか。
2 広報広聴の企画である「ぐるっと岩倉+α」の参加者がなかったが、その原因分析はしているか。
3 市の借金の返済に必要な財源を確保するための減債基金が、毎年、積立と取崩しを繰り返し、基金総額が増えていない。この基金の積立額の目標値や計画はあるのか。
4 市の駐車場は、依然として名古屋などに出かける人の迷惑駐車により駐車場不足になることが多い。ゲート設置を検討していた時期があったが、その方向性は。
5 補正の補正までして購入したプリウスプラグインハイブリッドのこれまでの利用方法と、災害・非常時の利用方法を予め想定し、アニュアル化しておく必要があるのではないか。
6 岩倉市の犯罪発生件数が防犯事業の成果により減少したと記述しているが、江南署管轄全体、全国でも減少傾向にあるわけで、岩倉市の件数が著しく減少しているのではないのではないか。
7 放置自転車の自転車撤去を行っているが、盗難車の割合がどのくらいあるのか。
8 7市4町で構成する尾張市町交通災害共済組合で保険事業を行っているが、「民間でできることは民間で」という考え方、保険事業全体の市場の状況からしても、行政がやるべきものなのか。
9 多世代交流センターは、高齢者のための施設ではなく、名のとおり、多世代交流である。交流の実績はどのようになっているか。
10 幼児2人同乗用自転車購入に対し、補助金を出しているが、購入後、転売や、すぐに転出してしまうことが懸念される。追跡調査は行っているか。
11 不法投棄については、犯罪であり、罰則もかなり重くなっている。警察と協力して、廃棄物から犯人を追跡する必要があるのではないか。
12 農家に多大な被害をもたらすヌートリアの捕獲量が25年度から大幅に減っている。実態は、減っていないのではないか。また、絶滅に向け、方策はないのか。
13 マスコットキャラクターのい〜わくんは、子どもたちにも親しまれ、市民も喜んでいると思うが、ブームはいつかは陰りが来る。い〜わ君サブレなど商業にも使用されているが、その経済的効果はいかほどあるのか。いつまで、い〜わくんを引っ張るのか。
14 岩倉市緑化推進事業では、市内の事業者等がその所有地内に一定規模以上の緑化を図ることに対し、補助金を出す制度があるが、申請がなかった。「緑の文化都市」と言う割りに、全体において、環境、景観、緑化に対する意識が低いのではないか。
15 ジュニアオーケストラ運営事業では、長年、年額約1000万円の予算が投じられている。この事業の目的は、セントラル愛知交響楽団の資金確保ではないか。団員のうち、岩倉市民はどのくらいいるのか。
16 田んぼは、湛水機能という重要な役割も持ち、近年、多くの田んぼが開発され、その能力が失われ、浸水の被害の一因にもなっている。岩倉市下水道(雨水)整備計画が策定されているが、雨水の貯留施設の計画の見直しが必要ではないか。
17 自動販売機設置に対する歳入が、平米単価500円という目的外使用料と、それに上乗せされた雑入とに分かれて記載されている。条例において、不適切な規定がされている結果であるが、なぜ、すべてを目的外使用料として徴収できないのか。
Etc.
2日間を通し、私以上に、木村冬樹議員、枡谷規子議員が質問されています。それ以外、私の記憶では、黒川議員1回、梅村議員1回、相原議員1回、質問しています。他の質問や答弁に興味のあるときは、1週間程度で公開される録画か議事録をご覧いただきたいと思います。今は、議会中で時間的な余裕がありませんが、終了後、委員会を含め、答弁についても整理し、議論を加えていきたいと思います。
私は、本会議には、せっかく市長、教育長がいるわけですから、もっと、活発な質疑が必要だと思います。みなさんは、どう思いますか?感想をお寄せください。
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