平成31年3月議会一般質問
岩倉市の将来都市像
「健康で明るい緑の文化都市」の緑の重要性を再度問う
北島の自然生態園は、ビオトープとして、 私が職員時代に携わった思い入れのある施設です。その後、岩倉市は、緑の基本計画を策定し、ビオトープネットワークを創造するという計画を作りました。しかし、4年間の議会における一般質問や議案質疑において、市は、開発を優先し、市長の口からも、緑の基本計画の見直しの中で、その構想を後退させるような発言 が出てきています。
平成30年12月議会では、工場立地法の規制緩和により、工場を立地する際の緑地帯を設けなければならない率を、国基準から大幅に引き下げてもよい条例を制定してしまいました。
環境施設面積 | うち緑地面積 | |
国の準則 | 25%以上 | 20%以上 |
岩倉市の準則 | 10%以上 | 5%以上 |
私は、その際、反対しました。しかし、再度、改めてその改正の趣旨を確かめたところ、やはり、岩倉市が大幅に工場立地の際に、緑化率を引き下げる特殊な要因はないことを確信した次第です。市当局は、法改正の趣旨を間違えて解釈しています。
工場立地法による国が定める準則工場を立地するときの緑化率の縛りは、最低限を定めるものです。法律の改正は、地域の実情に合わせ、国の定める範囲内(環境施設面積10%~35%、緑地面積5%~30%)において独自に策定が可能としたものです。もう少しわかりやすく言うとつぎのようになります。
工場の立地の条件は様々であるため、条件に当てはまる区域については、それぞれの自治体で国の基準ではなく、独自に、緑化率を高めても、減らしても良いということなのです。その判断条件として、法律では、自然的条件・社会的条件が示されており、例えば自然的条件でいえば、その工場の立地区域の周辺が海、林、崖等に囲まれている特殊な地形条件であるときには、緑地帯を減らしても差し支えないし、逆に、工場の種類によっては、その土地固有の風向きや気温といった特殊要因と相まって、多少離れている地域の住民に影響が出ると予想される場合には、緑地帯をもっと設けた方が良いという場合もあるでしょう。
岩倉市は、社会的条件しか考慮していないのです。百歩譲って、法人税が少なく、少しでも工場の稼働面積を増やすのが岩倉市の特殊事情だとしても、環境都市宣言、岩倉市の緑の基本計画や、現実問題としての緑の激しい減少状況と今の実態からすると、予測されるマイナス分の緑化については、他の部分で増やす努力目標の変更が必要ではないでしょうか。
緑の基本計画 第1章 現況調査の最初に、自然的条件調査の記述があり、その中に緑の現況量があります。
「緑の現況量は、平成8年当時と比べ市街化区域内では 81.7ha から 40.9ha とほぼ 50%減少しています。一方、市街化調整区域では 34.2ha で約 11%減少し、市域全体では 75.0ha、約 19%の減少となっています。 本市は、平坦な地形特性から自然林などは見られず、農耕地と市街地で構成されています。市街化調整区域には水田が広がり、市街化区域内の住宅地にも小規模な畑が点在し、これら農地(水田+畑)は 289.4ha で市域(1,049.0ha)の概ね 30%を占めて います。」
工場立地法の逐条解説の自然的条件・社会的条件の解釈も理解できますが、法律の解釈権は自治体にもあるわけで、岩倉市が定める緑の基本計画の、自然的条件・社会的条件も判断材料とすることに、何の裁量権の逸脱もないと考えます。
近隣自治体が、規制緩和として工場立地の際の緑化率を引き下げたから岩倉も、ではなく、きちんと法律の趣旨、わが市の実情を鑑みて、解釈をし、条例を定めるべきです。
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