平成30年3月議会 代表質問を行いました。マニフェストについての話

公開日: : 最終更新日:2018/08/18 平成30年, 議会の活動報告

代表質問とは、市長が3月議会の初日に行う施政方針演説の内容に対して、各派を代表して行うものです。

今回3回目の代表質問です。

「住むなら岩倉!子育て・健幸・安心なまち」は、マニフェストのキャッチコピーであり、将来都市像である「健康で明るい緑の文化都市」の実現を目指した総合計画がまちづくりの目標ではないのか。

前年度の代表質問

マニフェストというのは、もちろん市民からの信託をまだ受けてはいませんが、やはりやりたいこととして、今後、実施計画に載せながらなどをどのように考えてみえるのか 」

市長答弁

「私も職員上がりですので、現場のことは職員が一番よく知っています。ですので、きちっと職員の意見も聞いてみたい。それから、何よりも大事なのが、やっぱり市民のニーズです。市民ニーズがないことまでやってしまったら過剰なサービスになってしまう。そのさじかげんが必要である。今後もそうしたことに気をつけながら、マニフェストの推進については図っていきたい」

今回の施政方針でも、私のマニフェストにおいて、「住むなら岩倉!子育て・健幸・安心なまち」は、まちづくりの目標だと仰った。

しかし、新年度予算に計上した主要事業や新規事業については、第4次総合計画の基本目標に区分して説明されたわけです。

 従来の選挙公約が抽象的・総花的であったのに対して、マニフェストでは目標や期限などを明記することによって、達成度という形で明確な責任が問われる。2003年春の統一地方選挙で北川正恭氏などがイギリスで定着しているマニフェストの導入を提案し、国レベルの政治にも広がりました。現実的には、選挙公約とあまり変わらないように認識されているのではないでしょうか。

 立候補者が自分の考え方・目標を明確にし、選挙人はそのマニフェストを見て判断でき、投票という行動をもってして、選挙するわけです。

 ですから、選挙で当選したときに、そのマニフェストは投票した人に対する約束となり、それを履行する責任が生まれるわけです。

 しかし、一般論として、そのマニフェストがどの程度、市民の腹に落ち、信が問われたかはわかりません。ですから、そのマニフェストに掲げた項目がまちづくりの目標だと言われることに違和感を感じるのです。

 方や、市の最上位計画である総合計画は、もちろん議決しています。中間年での見直しのときも議決しました。議会は市民の代表である議員の組織体でありますから、間接民主主義において、市民からの信託を総代する機関であります。

 よって、市長という個人からすれば、自分のマニフェストも公約として当然重要であり、推進していく必要があるのはわかりますが、個人的な公約は民主的手続がなされない以上、それ以上のものにはなり得ません。市の最上位計画は総合計画であり、それを具現化する実施計画という仕組みが本来は優先されなければならないというのが道理ではないでしょうか。

 実は、先日24日に消防署で議会報告会を行った際に、市民からこのマニフェスト事業について質問が出ました。その一つに、あとからお聞きする小中学校のエアコン設置について、一人の親の立場として、自分は、夏は暑く、冬が寒いのは当たり前で、そのために夏休みがあると思っているが、そういう意見を聞くこともなく、よそがそうだからとか、大勢がそうだからということで、マニフェストに載っていることで、一方的に進められているのではないか。というような意見でした。

 その意見に対し、私からは、市長選挙が無投票になったこと、そしてその中のマニフェスト事業については、市民の信託を得ていないこと、そしてマニフェストと総合計画の関係について説明し、発言された市民の意見を肯定する発言をしました。

 すると、別の市民から、その言い方はおかしいのではないかという意見が出されました。無投票だからという言い方がおかしいというのです。

 その場では、議会報告会はたくさんの意見をお聞きする場であり、個人的に議論する場ではないと思い、それ以上の議論はしませんでしたが、後で、「無投票だからマニフェストが信託を受けていないという」言い方になってしまったことは、確かに正確な言い方ではないことに気づきました。

 それは、無投票の時、選挙戦になったとき、いずれにしても、マニフェスト自体は、市民の信託を受けたこととはならないということです。先ほど、選挙戦で掲げたマニフェストは履行する責任が生じると言いましたが、それは、投票してくれた市民に対しての責任であって、全有権者・全市民がそれを望んでいるかどうかは別問題だということなんです。つまり、投票率50%の選挙で、得票率51%で勝ったときに、全体からすれば25%程度の市民の信任を得たに過ぎないわけです。ましてや市民は、その候補者のすべてのマニフェストに賛同しているとも限らないわけです。人柄で選んだかも知れない、土地柄で選んだかもしれない。ですから、投票・無投票に関わらず、マニフェストを市レベルの政策目標にしていくためには、それなりの手続が必要であるというのが私の意見であります。そういう意味で、議会報告会における市民の、「無投票だからという言い方はおかしい」という指摘はごもっともでありました。

 さて、マニフェストに掲げた事業を具現化していく方法としては、一つ一つ事業を予算化し、議決していく方法、今、現に、そのようにおやりになっていると思いますが、その方法が一つあります。

 もう一つの手法として、当選した時点で、総合計画を見直し、その中にマニフェストを含め描きなおし、議会の議決を経るというのも一つの方法だと考えます。首長選挙によっては、沖縄の名護市の基地問題のように、180度変わるようなこともあるわけです。実際、私は総合計画・実施計画を担当していた時代、総合計画自体を市長の任期4年に合わせ、マニフェストと総合計画の整合性を持たせている自治体があったことを覚えています。今後の総合計画の策定の際に、参考にしていただけたらと思います。

 マニフェストの目標と岩倉市の計画行政における目標を混同してはなりませんし、議会としても、マニフェスト事業を特別視したり、暗黙的に最優先事業と位置付けるのではなく、総合計画事業、その他の実施計画に上がっている重要な事業と同様にプライオリティを議会として考え、チェックしていく必要があると考えます。

 このマニフェストと総合計画との関係などについて、私の考え方を述べさせていただきましたが、それに対し、それは違うのではないかとか、ご自身の意見があれば述べていただきたいと思います。

(回答)
 市の最上位計画である総合計画は、本市のまちづくりの理念、基本目標を定め、それを実現するために施策を体系化したものであり、市民と行政にとっての共通の羅針盤となります。一方で、マニフェストは、私のまちづくりの目標となります。それは、これまで岩倉市民といて50年余り過ごしてきた中で思うこと、副市長として3年半近く本市のまちづくりに携わる中で感じたことなどを中心に市長選挙に向けて掲げたものです。それを作成するに当たっては、市民憲章、総合計画にも目を通しました。全く別物としてマニフェストに掲げましたが、総合計画から大きく外れていくものではなく、本市の基本目標に反するものではないと考えます。総合計画とマニフェストの整合性については、堀議員と考え方が違うと思います。

 

 

 

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